アイデアの「拡散」フェーズでは「収束」させない勇気を
企業と消費者(顧客)との共創セッションの際、アイデアを出し合う「拡散」の時とそのアイデアを凝縮し「収束」させるフェーズを繰り返しながら螺旋状に向上させていきます。
アイデア「拡散」のフェーズにおいては、イノベーションのために勇気を持って「収束」フェーズに突入しないようにすることが大事です。
「拡散」と「収束」
「拡散」フェーズでは、ある考えやアイデアをベースにして、その考えを広げ今までには無かった新しいアイデアを出していきます。
一方「収束」フェーズでは「拡散」で出てきたアイデアを元にして、ある一つの方向性を見つけていきます。
「収束」モードにならないよう我慢する
ここで気をつけるべきは、アイデアを「拡散」させるフェーズにおいて現実味がないアイデアや意見が提示された時、特に企業側の担当者によって起こしてしまう現象です。
それは本来もっと「拡散」しアイデアの選択肢を増やすべきなのに「収束」のモードに突入させてしまう事です。
過去の延長線上にない既存の枠組に囚われない新しい発想でアイデアを出していくためには、「拡散」フェーズでアイデアや考えを無限に広げます。
ところがアイデアはたくさん出てきますが、それらは思いつきや、自由な発想から出てきたものなので実現の可能性についての裏付けがあるわけではありません。
なので「拡散」フェーズにも関わらず企業側から「これまでやった事無いですし・・」「技術的に不可能です」「予算面で実現不可能です」などといった発言が出ます。
既存の延長線で物事を判断することに慣れていると、現在の延長線上に乗りそうも無いものは弾いてしまう気持ちもわかります。
また、360度全方向自由に「拡散」しているので、どこに向かうのか方向性すら未確定な状態なので我慢出来なくなるのでしょう。
無理な要素や条件は無視する勇気を
その状況において、ほぼ100%企業側から「・・だから無理です」などといった収束モード突入の発言が出ます。
これは絶対に止めるべきです。
現実味が無いアイデアが「拡散」フェーズに顔を出してきたとしても一切気にすることなくアイデア「拡散」のみに注力してみてください。
また、議論の方向性が定まらず未確定な状態が続いたとしても、自ら議論の幅を狭める「収束」フェーズに突入すべきではありません。
「収束」のフェーズに入ってしまうと、これまでと大差のない平凡または常識的なアイデアに落ち着いてしまいイノベーションなどは起こせなくなります。
イノベーションのためには「拡散」フェーズにおいては「収束」モードに突入しない勇気を持つ事が必要なのです。